yearn for yarn
話がしたいなら、行って会わないといけない人がいる

話がしたいなら、行って会わないといけない人がいる

 

電話にもでない FAXを送っても返事がない まして、SNS メールは使っていない

こちらからで出向いて行かないと会えない

 

 

でないと、

全くコミュニケーションが取れない

 

 

場所は和歌山県  広島から420km

何度、電話しても

FAXには返事が欲しいと何度もお願いしても返事はない

 

どうして? 疑問におもいながら

 

 

クルマで行くしかないかと。

でも、こうなるのは分かってた(笑)2度目だから。

 

 

出迎えてくれたのは和田メリヤスの和田社長さん

朝、9時に到着した時にはすでに工場の機械は回っていた

 

この機械こそ、いまではほとんど使われなくなった
吊り編み機(つりあみき)

 

針は動かず、糸の方が回って生地を編む機械

 

工場の入り口から挨拶しても機械の音で声はかき消され

何度か大声で「おはよーございまーす」と声を張り上げると

奥の方で手をあげて返事をして、手のひらを前後に動かしてちょっと待てと合図をする

 

 

本当を言うと、

こちらから連絡しても全く返信が無いことに、少し腹を立てていたのだけれども

この男に会うとその気持ちはどこかに行ってしまう

 

 

表情は柔らかでニッコリとした笑顔でゆっくりとした優しい口調で

「早うきたんやな」
(ええ、、昨日の夜から出発して車中泊ですから。と、心のつぶやき)

こんなに優しさが表情に表れている人がいるだろうか

もう、この時点でこちらの負けである

実際にここに来て会って話さないと仕事が出来ない

 

でも、どうしてこの和田メリヤスさんでないとダメなのか

吊り編み(つりあみ)機は天井から機械をつるし丸編みといって筒状の生地を編む機械が

今ここには123台並んでいます

現在はシンカー編み機と言って高速で生産性の高い機械に変わっていますが

30数年前、この新しい編み機を最初に見た時に和田さんは思ったそうです

 

 

 

「吊り編み機はまだまだイケる」

 

 

 

業界が新しい機械にとって代わる中、和田さんは古い吊り編み機を買い集めたそうです

何がまだまだイケたのか?

 

 

新しい機械は針が糸を引いて編みますが

吊り編み機は針の周りを糸が回り込んで編むので

糸にテンションがかからず、空気をはらんだようにふっくらと編めるといいます

 

 

 

「2回洗ったら、違いがわかってもらえる」

「新しい機械は新幹線のように速く編めるけど

 吊り編み機で編んだら、ゆっりやけれど

 破裂強度は2倍で強く、生地に伸縮性があって縦にも伸びるから
 ニットのような着心地なんよ」

 

 

「だから、2回洗ったら風合いが違ってくるから」

 

 

糸にストレスをかけずにゆっくりと編むことで、糸の最大限の良さを生地に表現できる

 

 

 


 

 

yearn for yarn のT-Shirtsの生地はオーソドックスな天竺編みですが

和田さんが独自で1枚の生地を継ぎ目なく複数の編みであんだり

ボーダーも継ぎ目なく編むアイデアを生み出しています

 

 

 

「これ、うち以外は誰も出来んのよ」

 

「これ、どうなってるか分かる?」

 

「これまで誰も考えたことのない編み方も考えてるんよ」

 

「それも、この吊り編みでな」

 

「従来の延長で発想してたらあかんのよ」

 

「全然違うところから発想せんとな」

 

 

= 古いモノを使って、これまでにない未来を作る =

そんな探究心とあふれるアイデアがこれからの社会を変えるのかもしれないですね


針は動かないで、周りが回り・ギアを交換することで編み方が変わるなんて
思いもしませんでした

 

無限の想像力が生み出すオルゴールのようです

工場にも随所に和田さんのアイデアがあふれていて

ソーラーでの自家発電や1つのモーターをベルトで複数台の機械をつないだり

コンプレッサータンクを2つ並べて機械の稼働をコントロールして節電したり

自作のアイデアがつまっています

 

 

機械を動かすのに油はつきものなんですが

「新しいシンカー機だと針に油をつけるんだけど、吊り編みは糸につけるのよ」

「昔は天ぷら油をつかってた」

「今は、水溶性の油を糸につけてる」

「つけることで、針の磨耗が少なくて、ホコリがでにくいんよ」

普通だと針に機械油を使うのだけれど、糸に水溶性のワックスを使うことで

生地を洗う時に綺麗に落ちて環境にも出来るだけ負荷がないと言う事です

 

 

「けれど今回、オーガニックコットンやから何もつけてない」

 

 

油を使わないで機械を動かして編んで頂いて本当に恐縮です。

 

 

和田メリヤスさんで1ヶ月かかってようやく生地になります

生地の仕上がりの日程をお聞きして和田メリヤスさんを後にします

この仕上がりの日程だけを確認するためにやって来たのですよ。。。

FAXを1枚流してもらえれば、OKなんですけどね(笑)

 

 

実際に行って会わない限り連絡がとれない、会うたびに話が面白い

どことなく、そんな男になりたいなぁと思うのです

 

 

 

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